前編・後編では、
・日本に滞在するためには在留資格が必要なこと
・在留資格には大きく「活動するための在留資格」と「身分や地位によって決まる在留資格」の2つのグループがあること
・それぞれのグループに、どんな在留資格があるか
を説明しました。
今回は、
在留資格を取得するために確認すべき2つの要件について説明します。
❶ 在留資格該当性とは
最初に確認するのが、在留資格該当性です。
| 取得する在留資格 | 該当性で確認されること |
|---|---|
| 活動するための在留資格 | 日本で行おうとする活動(仕事・学業など)が、その在留資格に定められた活動の範囲に該当していること |
| 身分や地位によって決まる在留資格 | 現に有する身分や地位が、その在留資格に定められた身分や地位に該当していること |
これを「在留資格該当性」といいます。
在留資格該当性は、すべての在留資格に共通する基本的な要件です。
【在留資格該当性の具体例】
✓ 留学
↳ 実際には学校で勉強する予定がほとんどなく、働くことが主な目的であれば、「留学」に定められた活動には該当しません。
✓ 技術・人文知識・国際業務
↳ 実際に行う仕事が、単純作業を中心とするものであれば、「技術・人文知識・国際業務」に定められた活動には該当しません。
✓ 日本人の配偶者等
↳ 日本人と法律上結婚していても、夫婦としての実体が認められない場合(日常的な連絡や交流がほとんどないなど)には、「日本人の配偶者等」に該当しません。
❷ 上陸許可基準適合性とは
一部の在留資格には、在留資格該当性に加えて、法務省令(基準省令)で定める追加の基準を満たしているかどうかも審査されます。これが上陸許可基準適合性です。
【上陸許可基準適合性の具体例】
✓ 留学
↳ 学費や生活費を支払うための十分な資力が認められない場合には、上陸許可基準を満たしません。
✓ 技術・人文知識・国際業務
↳ 従事する業務に関連する学歴・実務経験など、基準省令で定められた要件を満たさない場合や、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬が支払われない場合には、上陸許可基準を満たしません。
✓ 日本人の配偶者等
↳ 「身分や地位によって決まる在留資格」には、そもそも基準省令の適用自体がありません。
在留資格該当性はすべての在留資格に共通する取得要件ですが、上陸許可基準は、基準省令に定めがある在留資格のみが対象です。
【対象となる在留資格】
| 別表 | 在留資格(例) | 上陸許可基準(基準省令) |
|---|---|---|
| 一の表 | 外交・公用・教授・芸術・宗教・報道 | なし |
| 二の表 | 高度専門職・経営・管理・技人国・企業内転勤・介護・興行・技能・特定技能・技能実習 など | あり |
| 三の表 | 文化活動・短期滞在 | なし |
| 四の表 | 留学・研修・家族滞在 | あり |
| 五の表 | 特定活動 | なし |
| 別表第二 | 永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者 | 適用対象外 |
※「特定活動」と「定住者」には上陸許可基準は適用されませんが、個別の要件が定められている場合があります。
まとめ
在留資格を取得するには、次の2つを確認する必要があります。
◆ すべての在留資格に共通する要件
↳ 在留資格該当性
行おうとする活動、または身分や地位が、その在留資格に定められた内容に該当しているかを確認する。
◆ 基準省令に定めがある在留資格のみが対象
↳ 上陸許可基準適合性
学歴・実務経験・報酬など、その在留資格ごとに定められた基準を満たしているかを確認する。
即ち、「該当性」は全ての在留資格に共通する第一関門、「基準適合性」は一部の在留資格にのみ課される第二関門と整理できます。
なお、在留資格を変更する場合や、在留期間を更新する場合には、これに加えて、これまでの在留状況などを踏まえ、変更・更新を認めることが適切かどうかも審査されます。
詳しくは、【在留資格の変更についての記事】や【在留期間の更新についての記事】をご覧ください。
次回は、在留資格を取得するまでの流れを解説します。
補足
「特定活動」と「定住者」には上陸許可基準は適用されませんが、個別の要件が定められている場合があります。
◆ 特定活動
・卒業後の就職活動
↳ 卒業前から引き続き就職活動を行っていることや、学校からの推薦があることなどが求められます。
・ワーキングホリデー
↳ 年齢制限(18歳から30歳までなど、国により異なる)を満たすことなどが求められます。
◆ 定住者
・日本人との間の実子を扶養する外国人親
↳ 未成年・未婚の日本人の実子との親子関係があり、実際にその子を監護・養育していることなどが求められます。
必ずしも「基準省令の対象外=要件がない」ではありません。