この記事では、
「留学ビザ」から「技人国ビザ」への変更申請で確認される主な事項を8つに整理して説明します。
❶ 在留資格該当性(どんな活動をするのか)
従事しようとする業務が、
『技術・人文知識』又は『国際業務』に該当するかが確認されます。
前提として、
日本の会社などとの契約に基づいて、
次のいずれかに当てはまる専門的な仕事を行うことが必要です。
◆ 技術・人文知識の場合
理系または文系の専門的な技術や知識を必要とする仕事です。
例えば、
・システムエンジニア、
・機械設計、
・マーケティング
などです。
◆ 国際業務の場合
外国の文化に基づく考え方や感性を必要とする仕事です。
例えば、
・通訳、翻訳、語学指導、
・広報、宣伝、海外取引、
などです。
◆ 両業務に共通する事項
(1)業務量
上記の業務が十分に存在し、継続して業務に従事できることが必要です。
(2)主に言語能力を用いる対人業務
通訳・法人営業・ホテルフロント業務など、主に言語能力を用いる対人業務に従事する場合は、業務で使用する言語についてCEFR・B2相当の言語能力が必要です。
この能力がない場合は、「一定水準以上の業務」に従事するものとは認められず、在留資格該当性が認められません。
❷ 上陸許可基準(その活動をするための条件)
技人国の上陸許可基準では、
学歴・実務経験・報酬などについて条件が定められています。
◆ 技術・人文知識分野では
原則として、次のいずれかが必要です。
① 大学などを卒業していること
従事しようとする仕事に関係する科目を学び、大学などを卒業している。
② 日本の専門学校の専門課程・専攻科を修了していること
従事しようとする仕事に関係する科目を学び、専門士・高度専門士の称号を得ている場合など。
③ 実務経験があること
従事しようとする仕事に関係する実務経験が10年以上ある。
※大学や専門学校などで、仕事に関連する科目を専攻した期間は、10年の実務経験に含めることができます。
【大学と専門学校の関連性の違い】
・大学を卒業した場合
学んだ内容と仕事との関連性は、比較的柔軟に判断されます。
・日本の専門学校を修了した場合
原則として、学んだ内容と仕事との関連性がより厳しく確認されます。
※ ただし、「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定学科を修了した場合は、大学卒業者と同様に、関連性が柔軟に判断されます。
【IT告示】
情報処理の仕事では、法務大臣が定める試験に合格している場合や資格を有している場合は、学歴・実務経験の要件は適用されません。
◆ 国際業務では
① 業務内容
翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務、服飾・室内装飾のデザイン、商品開発など、外国の文化に基づく考え方や感性を必要とする業務であること。
② 実務経験
従事しようとする業務に関連する業務について、3年以上の実務経験があること。
ただし、大学を卒業した人が、翻訳、通訳または語学の指導に従事する場合は、3年以上の実務経験は必要ありません。
◆ 報酬
同じ仕事をする日本人と同じか、それ以上の報酬を受ける必要があります。
❸ 在留資格に応じた活動を行ってきたか
これまで、
現在のビザ(在留資格)に該当する活動を適切に行ってきたかが確認されます。
◆ 現在のビザが留学の場合
これまで、
留学ビザに該当する活動を適切に行っていたかが確認されます。
つまり、ちゃんと学校に通って勉強してきたかが確認されます。
次のような場合は、変更審査で不利になることがあります。
・正当な理由なく学校に通っていなかった場合
・退学・除籍後も在留を続け、「留学ビザ」に該当する活動をしていなかったことについて、正当な理由がない場合
❹ 素行が不良でないこと
犯罪や法令違反などがなかったか確認されます。
◆「留学ビザ」から変更する場合
たとえば、
重大な交通違反や、交通違反を繰り返していないか、
アルバイトをしていた場合は、
資格外活動許可の範囲を守っていたかが確認されます。
※ 資格外活動許可の範囲としては、
・週28時間以内
・風俗営業等で働かない
などがあります。
これらのルールに違反した場合は、変更審査で不利になることがあります。
❺ 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
変更後も、公共の負担にならずに
日本で安定した生活を続けられるかが確認されます。
◆ 技人国では
給与額や雇用の継続性などが確認されます。
❻ 雇用・労働条件が適正か
雇用・労働条件が、
労働関係法規に適合しているかが確認されます。
◆ 技人国では
たとえば、次のような労働条件が確認されます。
・働く場所と仕事内容
・労働時間と残業
・休憩、休日、休暇
・賃金、残業代
・契約期間と更新
・退職や解雇
※ 雇用先の労働関係法令違反について、留学生本人に責任がない場合は、その点も考慮して判断されます。
❼ 納税義務等を履行しているか
法令によって納付義務があるものを、適切に納付しているかが確認されます。
◆「留学ビザ」から変更する場合
・税金
アルバイトの収入額によっては、所得税や住民税を払う義務が生じます。
・健康保険・年金
加入が必要な人は、
公的医療保険や公的年金に加入し、保険料を納める必要があります。
※ 高額または長期間の未納があり、悪質と判断されると、変更審査で不利になることがあります。
❽ 必要な届出を行ってきたか
必要な届出を期限までに行っているかが確認されます。
◆「留学ビザ」から変更する場合
主に、次の届出が必要です。
① 市区町村への届出
住所が変わったときは、新しい住所を届け出ます。
② 入管への届出
・学校を卒業・退学したとき
・学校を転校したとき
【届出期限】
・住所変更(新しい住所に移った日から14日以内)
・卒業・退学・転校(その事実が生じた日から14日以内)
※ 転校した場合は、前の学校から離れたことと、新しい学校に在籍したことをそれぞれ届け出ます。
※ 届出をしていない場合は、変更審査で不利になることがあります。
まとめ
「留学ビザ」から「技人国ビザ」へ変更する場合は、
次の点が確認されます。
❶ 就職後の仕事が、技人国の在留資格該当性を満たしているか
❷ 学歴・実務経験・報酬など、技人国の上陸許可基準を満たしているか
❸ これまで「留学ビザ」に該当する活動を適切に行ってきたか
❹ 犯罪や法令違反などがなかったか
❺ 公共の負担にならず、安定した生活を続けられるか
❻ 雇用・労働条件が労働関係法規に適合しているか
❼ 法令によって納付義務があるものを適切に納付しているか
❽ 必要な届出を期限までに行っているか
これまでの在留状況や就職後の仕事内容などをもとに、総合的に判断されます。
参考資料
・出入国在留管理庁
在留資格「技術・人文知識・国際業務」
・出入国在留管理庁
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について
・出入国在留管理庁
在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン
・出入国在留管理庁
「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について