技人国の在留資格は、許可時に予定していた「専門業務」を前提として認められています。
しかし、許可後に時の経過や会社の事情変更により、当初予定していた業務量を十分に確保できなくなるケースがあります。
このような場合、どのように対応すべきでしょうか。
1. 社内の別の専門業務へ配置転換
例えば、当初「人文知識」分野で許可を得ていた外国人について、業務量が減少した場合に、
社内で「国際業務」や「技術」分野の業務へ配置転換することは、適法な対応となり得ます。
▶ ポイント
専門業務の範囲内であることが前提です。
また、業務内容と学歴・経歴との関連性が乏しい場合には、更新時に問題となる可能性があります。
▶ 具体例
●経済学部出身で営業職(人文知識)として採用された外国人が、業務量の減少により、同じ会社内でマーケティング業務へ配置転換する場合、
👉 学歴との関連性が認められやすい。
●同じ外国人が、ITエンジニア業務(技術分野)へ配置転換される場合、
👉 専攻や実務経験との関連性が乏しいと判断される可能性があり、更新時に問題となることがあります。
2. 他社への転職
技人国は、「企業内転勤」と異なり、特定の企業に在留資格が紐づいているわけではありません。
そのため、自社内で専門業務を確保できない場合には、他社へ転職することも適法な対応策となります。
▶ ポイント
転職先での業務が「専門性を有する業務」である限り、適法に活動を続けることができます。無理に雇い続けるより安全で適切な選択といえます。
3. やってはいけないこと【注意】
業務量が減ったからといって、空いた時間を単純作業で恒常的に埋めることはできません。
これは、資格外活動(不法就労)と評価されるリスクがあり、受入企業も不法就労助長罪に問われる可能性があります。
さらに、更新時に提出する納税証明書や課税証明書などから低賃金の実態がうかがわれる場合、専門業務ではなく、単純労働に従事していたのではないかと疑われるリスクがあります。
4. まとめ
業務量が確保できなくなった場合は、安易に現場の単純作業で穴埋めするのではなく、
・社内の別の専門業務へ配置転換する
・それが難しければ他社への転職を検討する
ことが、外国人本人と企業の双方を守るための正しい対応策となります。
理解度チェック
次のうち、適切な対応として最も妥当なものはどれか。
A.業務量が減少したため、空いた時間を清掃業務で恒常的に埋めた
B.業務量が減少したため、社内で関連性のないIT業務へ配置転換した
C.業務量が減少したため、社内で関連性のあるマーケティング業務へ配置転換した
D.業務量が減少したため、給与を下げて雇用を継続した
E.専門学校卒業者は、大学卒業者よりも関連性の審査が緩やかであり、専攻と異なる分野への配置転換も認められやすい
正解をみる
▶ 正解:C
A.専門業務に該当せず、資格外活動(不法就労)と評価される可能性がある
また、企業側も不法就労助長罪に問われるリスクがある
B.業務内容と学歴・経歴との関連性が乏しく、更新時に問題となる可能性がある
C.専門業務の範囲内であり、関連性も説明できるため、適切な対応といえる
D.報酬が著しく低下した場合、「日本人と同等額以上」の要件を満たさない可能性があり、更新時に問題となることがある
E.専門学校卒業者は、大学卒業者に比べて、業務関連性は「より厳格に」審査されます

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