外国人労働者を、
派遣や請負の形で受け入れる際、
多くの企業は、次のように考えがちです。
「直接雇用ではないから、
ビザの確認は派遣会社の責任だ」
「派遣会社が
『その仕事をさせても大丈夫だ』
と言っているから大丈夫だろう」
しかし、
2025年の名護ショックは、
「雇っているのはうちではない」
では済まない現実を示しました。
近年、入管のチェックは、
より厳しくなっています。
派遣会社や請負会社に
責任を丸投げする姿勢は、
通用しなくなっています。
本記事では、
技人国ビザの外国人労働者を、
派遣・請負の形で受け入れる場合の
注意点を整理します。
1. 指示を出す人は誰?
外国人労働者を、
派遣や請負の形で受け入れる場合、
「誰が業務の指示を出しているか」は、
とても重要です。
・請負の場合
⇒ 請負会社が、労働者に業務の指示を出します。
受入れ企業(発注者)が、
請負会社の外国人スタッフに対して
直接指示を出している場合には、
実態として労働者派遣と判断される可能性があります。
※「偽装請負」として労働法上の問題も生じます。
・派遣の場合
⇒ 派遣先の企業が、労働者に業務の指示を出します。
2. 「指示を出す人」がとる責任
1.不法就労のリスク
指示した業務が単純作業であった場合、
指示した企業が「不法就労活動をさせた者」として、
不法就労助長罪の対象となる可能性があります。
そのため、次の対応が重要になります。
⇒ 派遣元は、
定期的に派遣先の業務内容確認し、記録を残す。
⇒ 派遣先・発注者は、
・定期的に、在留カードの原本提示を受け、「在留資格」・「在留期間」・「就労制限の有無」を確認する。
・外国人スタッフに、在留資格の範囲を超える業務を直接指示しない。
2.派遣先変更に潜むリスク
① 更新不許可リスク
単純労働の現場に派遣先を変更してしまうと、
ビザ更新時に不許可となるリスクが高まります。
② 就労資格証明書
新しい派遣先の業務内容がビザの範囲内か不安な場合は、
事前に「就労資格証明書」を取得し、入管の確認を得ておく。
これは、自社と外国人本人の双方を守るための重要な防衛策となります。
3. まとめ
▶ 不法就労が発覚した場合、
法的責任を問われるのは、直接雇用している会社だけとは限りません。
派遣先や発注者であっても、
実際に業務の指示を行っていた場合には、
不法就労助長罪の対象となる可能性があります。
▶ しかし、名護ショックが示した本当のリスクは、
それだけではありません。
請負会社や派遣会社に責任を丸投げしていると、
ある日突然、その会社自体が機能しなくなる可能性があるという点です。
その結果、
取引の継続が困難になり
人手が一気に失われ
事業そのものへのダメージにつながります。
「うちは直接雇用ではないから」は、
責任やリスクを免れる理由にはなりません。
✔ よくある誤解
請負・派遣と外国人雇用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 請負契約であれば、受入れ企業が外国人スタッフに直接業務指示を出しても問題ない。
- 技人国の外国人を派遣社員として受け入れること自体が、一律に認められていない。
- 派遣先が変更になった場合は、必ず在留資格変更許可申請が必要である。
- 契約書に「請負」と書いてあれば、受入れ企業は入管法上も労働法上も責任を問われない。
- 請負や派遣の形を取っていても、現場での指揮命令や実際の業務内容によっては、受入れ側にも法的リスクが生じ得