② 技人国ビザ|「現場作業」が許容されるケース

前回のブログでは、

「技人国」は、
一定水準以上の専門的・技術的な業務に
従事するための在留資格であることを
説明しました。

したがって、技人国スタッフが、
レストランでの皿洗いなどの
単純労働に従事することは、

原則として認められていません。

しかし、入管の審査では、
活動を全体として見た場合に、

技人国スタッフであっても、
現場作業への従事が
例外的に許容されるケースがあります。

今回は、その線引きを見ていきます。

目次

1.「専門業務」としての現場作業

① それ自体が専門業務にあたる場合

例えば、建設・電気工事の現場において、
単なる肉体労働ではなく、
専門知識を用いた設計や、
技術的な判断を伴う指揮・監督を行う業務
です。

⚠️ 注意
名目が「施工管理」や
「現場の指揮・監督」であっても、
実態が単なる作業指示や
人員の割り振りにとどまる場合には、
専門業務とは評価されず、
資格外活動と判断される可能性があります。

② 専門業務を行うために必要な現場作業

例えば、専門知識を使って
システムや設備を設計した人が、
その内容どおりに動くかを
現場で確認する場合です。
このように、
現場での作業であっても、
専門業務を完成させるために
必要な作業であれば、
許容される余地があります。

2.「研修」としての現場作業

入社当初の研修や、入社後の配置転換のための研修など、
将来の専門業務に必要な研修であれば、
現場作業であっても例外的に許容される余地があります。

ただし、次のような点が重要です。

✔ 将来の専門業務に必要な現場研修であること
✔ 日本人社員にも、同様の研修が行われていること
✔ 雇用期間の全体から見て、大半を占めないこと
✔ 研修後に専門業務へ移行する運用が担保されていること

これらを満たす場合には、
人材育成の一環として、許容される余地があります

⚠️ 注意
研修という名目であっても、
実態が単なる人手不足の穴埋めであれば、
制度の悪用と評価されるおそれがあります

3.一時的・突発的な現場作業

主たる業務が専門業務であれば、
一時的・突発的に生じる現場作業は、
許容される余地があります

OK寄り(一時的)
外国人客への案内や通訳の流れで、一時的・突発的に荷物を運ぶ

NG寄り(恒常化)
通訳・マーケティングの空き時間に、皿洗いや客室清掃を週2回ほど担当する

判断のポイント】
一時的・突発的な手伝いであれば、許容される余地があります。
しかし、恒常化(シフト化)すると、資格外活動に該当するリスクが高まります。

4.まとめ

技人国において、現場作業への従事が
認められる余地があるケースには、

① それ自体が専門業務にあたる現場作業
② 専門業務を完成させるために必要な作業
③ 将来の専門業務に必要な研修
④ 一時的・突発的な手伝い

があります。

この線引きを知ることは、
適正な労務管理を行ううえで重要であり、
企業と外国人の双方を守ることにつながります

▼ 沖縄のホテルで起きがちなケース

申請上の主たる業務は、
「外国人ゲスト対応(英語)」
「館内案内・通訳」など、
語学力を活かしたフロント関連業務である。

ケース① 一時的・突発的な現場作業

短時間だけレストランで配膳を手伝うことがある。
本件の「配膳」は、技人国の付随業務として説明できる余地があるか。

このケースでは

① 結論
一時的なヘルプにとどまるのであれば、
説明できる余地があります。
② 会社がやること
・シフトに「配膳」を入れない。
・単純労働が一時的に発生する業務に
従事する場合には、
更新時に備えて、
専門業務が主たる業務であることを示す
記録や成果物を積極的に残しておく。

ケース② 研修としての現場作業

入社後しばらくは「現場理解」のため、フロント・レストラン・客室部を順にOJTする予定。
① 本件を入社初期の研修として説明するなら、どう設計すべきか。
② また、「研修だったこと」を示すために、残すべき記録・資料を挙げよ。

このケースでは

① 設計のポイント
・将来担当する専門業務に必要な範囲に限定する。
・長期化せず、終了後は専門業務へ移行する。
・日本人新入社員と差異がある場合は、その理由(日本語研修など)を説明できるようにする。

② 残すべき記録・資料
入管は、研修という名目であっても、
実態が単なる人手不足の穴埋めになっていないかを確認します。

そのため、必要な研修であることを示すために、
研修計画書を作成し、
研修後に専門業務へ移行したことを確認できる資料を残しておくことが重要です。

例えば、
配属通知書、業務日報、専門業務の成果物などです。

ケース③ 全社員で行う軽微業務

ホテルでは、始業前に社員全員で毎日10分程度、フロント周辺やバックヤードの簡単な清掃を行っている。
本件の清掃は、技人国との関係で問題になるか。

このケースでは

① 結論
全社員で行う朝の清掃のように、
ごく短時間の共通ルールであれば、
直ちに問題になるわけではありません。

⚠️ 注意
外国人だけを清掃要員として扱っていないことが前提です。

▼ 実務上の注意|なぜ記録を残すのか
入管の審査では、
許可の要件を満たしていることを証明する
「立証責任」は申請人側にあります。
(入管が調べてくれるわけではありません。)
特にホテル業のように、
現場作業が混ざりやすい職場では
「実態は単純労働ではないか」と
疑われるリスクがあります。
そのため、日頃から
「専門業務に従事していること」を示す
記録や成果物を残しておくことが、
更新時のリスク管理につながります。
詳しくは「理由書が重要な本当の理由

関連記事: ① 現場作業は技人国と特定技能どっち

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