技人国と特定技能の違い|現場作業を任せるならどっち?①

就労系の在留資格には様々な種類があり、
それぞれ活動の範囲が決められています。

外国人に現場作業を任せたい場合、
「技人国」と「特定技能」のどちらが適切でしょうか。

今回は、その判断基準を整理します。

目次

技人国

「技人国」は、特定技能1号と比べて、次のような特徴があります。

項目技人国特定技能1号
通算在留期間の上限なしあり(原則、通算5年)
支援義務なしあり
学歴要件あり(学歴・実務経験等)なし(技能試験・日本語試験等)

もっとも、
技人国で従事できる業務は、
専門的な知識や技術を前提とする業務に限られます。

そのため、
次のような場合には、
申請・更新時に問題となるおそれがあります。

▶ 名ばかりの専門職

例えば、次のようなケースです。

業種形式上の業務内容実際の業務内容
小売・サービス業マーケティング・販売企画レジ打ち・品出しなどの現業作業が中心
IT企業システムエンジニア・Web制作データ入力や簡単な更新作業が中心
ホテル業外国人宿泊客への通訳・案内専門的な知識を必要としない定型的な受付・接客業務が中心

※ 専門性を要しない定型的な受付・接客業務が中心となる場合には、特定技能(宿泊)の対象となるかを検討します。

▶ 技人国に該当しない作業が中心になっている場合

技人国に該当するかどうかは、
在留期間中の活動を全体として見て判断されます。

・NG寄り(恒常化)

技人国に該当しない作業が、
実際の業務の中心となっている場合

↳ 在留資格該当性が認められない可能性があります

・OK寄り(一時的)

技人国に該当しない業務を、
一時的に行う場合

↳ 直ちに問題となるわけではありません

(例)

ホテルのフロント業務中に、
団体客の荷物を急きょ部屋まで運搬する場合

特定技能

特定技能は、介護・宿泊・外食などの
人手不足分野で活用される在留資格です。

※ 2026年1月の閣議決定により、特定技能1号の対象は19分野となりました。ただし、2026年9月現在、物流倉庫・資源循環の2分野は受入れ開始に向けた準備中です。

技人国とは異なり、次のような特徴があります。

❶ 現場業務に従事できる

特定技能では、各分野で定められた現場業務に従事できます。

さらに、同じ分野の業務に従事する日本人が通常行う関連業務にも、
付随的に従事することが認められています。

(例)

宿泊分野の特定技能であれば、
フロント業務などの宿泊サービス業務に加えて、
客室清掃やベッドメイキングなどの関連業務にも、
付随的に従事することができます。

❷ 学歴要件がない

特定技能には、大学卒などの学歴要件はありません。

原則として、技能試験や日本語試験など、
所定の要件を満たす必要があります。

❸ 支援義務

特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、
例えば、次のような支援が求められます。

・職業生活(仕事上の相談への対応など)
・日常生活(適切な住居の確保など)
・社会生活上の支援(日本語学習の機会の提供など)

なお、自社ですべての支援を行うことが難しい場合には、
次のような委託も可能です。

・一部の支援を第三者に委託する
・支援の全部を登録支援機関に委託する

※ 特定技能へのシフト

沖縄労働局の統計では、

特定技能が技人国を上回り、その差が広がっています。

2024年10月末2025年10月末
技人国2,757人3,182人
特定技能2,788人3,935人

2024年はわずか31人差でしたが、
2025年には753人差まで広がりました。

沖縄労働局「外国人雇用状況」の届出状況(2024年10月末時点・PDF/2025年10月末時点・PDF)

まとめ

現場作業を主たる業務として任せたい場合は、
その業務が特定技能の対象であれば、特定技能を検討します。

この選択を誤ると、

・採用したのに許可が出ない
・更新や運用で問題が生じる

といったおそれがあります。

だからこそ、
申請の前に、どの在留資格が適切かを見極めることが重要です。

固めるべきポイントは、次の2つです。

「どのような業務に従事させるのか?」
「その外国人が、その在留資格の要件を満たしているか?」

この2つを申請前に固めておくことで、
在留資格の申請・更新・変更時の問題を防ぎやすくなります。

次回は、沖縄のホテル・宿泊施設で外国人を採用する場合について、
技人国ビザで「できる仕事・できない仕事」を、
入管庁の許可・不許可事例から見ていきます。

→ 次の記事:
「沖縄のホテル・宿泊施設|技人国ビザでできる仕事・できない仕事②」

▼ よくある質問

Q1.技人国から特定技能への変更はできる?

→ できます。ただし、従事する業務が特定技能の対象業務に該当し、外国人本人も技能試験や日本語試験など、特定技能の要件を満たす必要があります。

Q2.特定技能から技人国への変更はできる?

→ できます。ただし、変更後の業務が技人国に該当する専門的な業務であり、外国人本人も学歴・実務経験などの要件を満たす必要があります。

※ 特定技能で働いたというだけで、その期間がそのまま技人国で求められる実務経験として認められるわけではありません。

実務経験として認められるかどうかは、実際に従事していた業務の内容から判断されます。

Q3.技人国で現場作業はできる?

→ 技人国でも認められる場合があります。
→ 関連記事:技人国ビザで現場作業・単純作業はどこまでOK?|許可事例で解説③

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